聖母マリアが、原罪の汚れととがを存在のはじめから一切受けていなかったとする、カトリック教会における教義を表す彫像。
青い衣と天使達、悪の化身とされる蛇を踏みつけるポーズなど特徴的な要素で構成されております。
木彫にペイントが施され、全て手作業による丁寧な作りであることが見て取れ、マリア様や天使達の遠くを見つめるような眼差しややや虚ろな感じの表情など、静かでありながらも存在感のある作品です。
マリア様と天使達は全てガラス製の目が入っていることにも注目に値します。
目は口ほどにと申しますが、表情の中でも最も重要な部分に手をかけていることに作品としての価値の高さが伺えます。
経年の変化により塗装が全体的に剥がれ落ち、亀裂が入っている部分もございますが、ベースの出来が良いことで決して貧相になっておらず、かえって神々しくも感じます。
他、取り外しが可能な台座(きっちりはまっておりますが、力を入れれば抜けます)の足の一箇所に欠損がございます。
また、マリア様の頭頂部に小さな窪みがございますので、制作当初は冠などが付いていた可能性がございます。
※塗装が剥がれやすくなっているため、梱包には細心の注意を払いますが、配送の際に若干剥離する可能性がございますのでご了承いただければ幸いです。
実在した聖女ルイーズ・ド・マリヤック(1591~1660)にまつわる遺物を納めたReliquire(ルリケール/聖遺物箱)と呼ばれる作品。
真鍮のフルール・ド・リス(百合の紋章)をモチーフにしたフレームに、石粒と名前が書かれた紙、装飾のパーツが入っております。
ルイーズ・ド・マリヤックは貧民救済の為に生涯を捧げ、修道会の設立に大きく貢献した聖人として知られております。
こちらもリングが付属しておますので、壁にかけたりして飾ることができます。
裏蓋には製作した教会の封蝋が施され、オフィシャルのものであることが証明されております。
一部緑青がでている箇所もございますが、全体の雰囲気を損ねるほどではなく、内部のパーツの欠損や剥離等もない素晴らしいコンディションの作品です。
象牙製のキリスト像。
キリスト本体と上部に掲げられたプレートは象牙製で、小ぶりながらも丁寧な作りとなります。
ポーズはディテールはポピュラーなタイプですが、顔立ちが穏やかなので痛々しい印象は少なく感じます。
象牙特有の柔らかな質感も、全体的に雰囲気を和らげているかもしれません。
特筆すべきは本体の十字架と土台のディテールで、ゴルゴダの丘に貼り付けとなったキリストの様子を再現しているかのようです。
土台は石を積み上げたような感じに仕上げられ、クロスの中心から光背が出ているデザインとなります。
素朴な雰囲気のクロスが、象牙のキリストを変に高級じみた感じにならないように程よく中和させながらも、全体的にまとまっています。
※全体的に良好な保存状態ですが、キリストの左手の親指が欠けております。
木彫の聖アントニオ像。
フランスにて買い付けましたが、イタリアのものであろうと推測されます。
幼子イエスを抱き、聖書を携えた姿でわずかに上方を見つめる眼差しは、小ぶりでありながらも強いオーラを持っています。
聖人像にはマリア様やキリストとは違った身近な存在を感じますが、それはその多くが実在した人物で、はっきりと記録に残されている点にあるからなのかもしれません。
木彫に漆喰のようなものでコーティングしたあとに着色されており、丁寧な作りであることが伺えます。
衣壁の奥にわずかな金彩が残されておりますので、制作された当時は手に持った本の赤共々、シックでありながらも鮮やかな色彩に彩られていたことでしょう。
剥げ落ちた顔料のせいもあってか、聖アントニオのお顔は右と左とでは印象が違って見えるように感じますが、全体的には慈愛に満ち、落ち着きと安らぎを感じさせる雰囲気が大変気に入っております。
また、個人的にはブラジル出身の私には、祖国の守護聖人でもある(聖アントニオはポルトガル出身だからか)という点も、強い縁を感じてしまいます。
※聖アントニオ、幼子イエスの右手はそれぞれ失われております。
※わずかに前方に傾きますが自立いたします。
手彫り彫刻による幼子イエスと洗礼者ヨハネ像。
ナポレオンⅢ世スタイルのオーバル型のフレームに収められた、本体の直径が最大30㎝(フレームを入れると40㎝)と迫力のボリュームに、ノーブルな顔立ちの幼子達と二人の天使が、美しく絶妙なバランスで仕上げられております。
荒野のヨルダン川にて洗礼を施していたというヨハネはラ、クダの皮衣を身に纏い十字架を掲げるという伝統的な姿で表現され、洗礼の為の水をいれるピシェを手にしております。
ヨハネが道の先を歩いていることから、イエスを先導してこれから洗礼を施すというシーンではないかと推測され、上空では二人の天使がそれを見守っているという構図となります。
ヨハネの足元にはイエスを表す神の小羊の姿が、そしてイエスの左手側の道端には悔い改めを象徴する切り株が見えます。
本体の右側端に、この彫刻の作者である"J FONTANA"のサインが刻まれております。
これほどまでのボリュームと、本体に目視で確認できるダメージが全くない完璧な状態のものであり、且つドーム型の当時のオリジナルのガラスも残っているというのは、なかなかお目にかかることの出来ないレアなアイテムと言えます。
※フレームに虫食いによる穴が所々にございます。
天使の木彫オブジェ。
教会の壁面を飾っていた木彫の天使は、2つの羽が胸元で交差し、愛らしさの中にも大人びた美しい表情をしております。
厳しい表情のものや、ヨーロッパ特有のクラシックな顔立ちの天使はよく見かけますが、穏やかで洗練されたこちらの天使は、見ていると心が安らぐ優しがございます。
均整のとれた目鼻立ちや柔らかくうねる髪の毛、羽のディテールの一枚一枚も丁寧に表現されたそれは、卓越した彫刻家によるものであることは想像に難くありません。
改修の為か、または2つの大きな大戦により安住の地を失われたのかは定かではありませんが、本来あった場所から取り外された後は、壁付けのコンソールとして使われていたようで、後部に壁に掛けるための金具が取り付けられております。
1つの木から作られたものではなく、複数の木をつなぎ合わせており、経年の変化により継ぎ目に僅かなズレが生じておりますが、丁寧に作られているため殆ど分からない状態です。
鼻のトップや髪の毛の一部、側面の装飾に一部あたり傷や欠けがございますが、全体としての保存状態は申し分ないほど素晴らしく、壁面の装飾のメインアイテムとして存在感のある一品です。
1773年創業のフランスを代表する、Porcelaine de Paris製のナポレオン3世様式の磁器製花瓶。
グローブドマリエと呼ばれる、結婚式で使われた花輪等を飾るガラスドーム内の装飾にも、似たタイプの花瓶が使われておりますが、こちらは教会に飾られていたもののようで、ラテン語で救いの人イエスという意であるIesus Hominum Salvatorの略称IHSの美しいモノグラムが丁寧なハンドペイントで施されています。
磁器特有の硬質で洗練された器胎に、流れるラインのリーフや立体的な下部のメダイの意匠が卓越した技術を要する事物語っております。
柔らかな陶器とは対照的なキリッとした緊張感のある雰囲気をお楽しみ下さい。
大降りの芍薬などを大胆に生けていただいたり、オールドローズを無造作に投げ入れて頂いても様になる事でしょう。
※正面右上の飛び出しているモチーフの裏側に微細な削げがございますが、正面からは全くめだちません。
※数カ所、焼成時に出来た気泡や班がございますが、雰囲気を損ねる程ではございません。
1773年創業のフランスを代表する、Porcelaine de Paris製のナポレオン3世様式の磁器製花瓶。
グローブドマリエと呼ばれる、結婚式で使われた花輪等を飾るガラスドーム内の装飾にも、似たタイプの花瓶が使われておりますが、こちらは教会に飾られていたもののようで、ラテン語で救いの人イエスという意であるIesus Hominum Salvatorの略称IHSの美しいモノグラムが丁寧なハンドペイントで施されています。
磁器特有の硬質で洗練された器胎に、流れるラインのリーフや立体的な下部のメダイの意匠が卓越した技術を要する事物語っております。
柔らかな陶器とは対照的なキリッとした緊張感のある雰囲気をお楽しみ下さい。
大降りの芍薬などを大胆に生けていただいたり、オールドローズを無造作に投げ入れて頂いても様になる事でしょう。
※正面右上の飛び出しているモチーフの裏側に微細な削げがございますが、正面からは全くめだちません。
※数カ所、焼成時に出来た気泡や班がございますが、雰囲気を損ねる程ではございません。
寄り添う2人の天使の像。
海泡石または石膏製と思われますが、詳細は不明です。
寄り添いあうシャープな顔立ちの天使の手元には"JE CROIS EN DIEU"(私は神を信じる)と書かれたリボンが置かれ、向かって右側の天使の手にはクロスが抱かれております。
大きな羽根が全体を包み込むように配され、体の向きや交差された脚もまた対照的な位置に納まっているため、全体的内シンメトリーなバランスの良い構図となっております。
それぞれの異なる髪型や衣装、流れる様な衣壁、羽根の一枚一枚まで丁寧に表現されたそれは、卓越した職人の手による手彫りの技ならではの素晴らしい出来映えです。
彫像はベルベット敷の木製の板に固定されており、ナポレオンⅢ世スタイルのガラスドームとオーバルフレームに納められております。
※彫像へのダメージは見当たりませんが、経年による変色などがございます。(お写真でご確認下さい)
※フレームの木部に無数の木食い虫による小さな穴がございます。(プライスにて考量いたしております。)
寄り添う2人の天使像。
穏やかな表情の2人の天使が、JE CROIS EN DIEU(私は神を信じる)というリボンを携えております。
向かって右側の天使は右手にクロスを持ち高く掲げ、左側の天使は胸元に茨の冠を抱いております。
指の先程の小さなお顔は、それぞれしっかりと彫刻され、かすかに空いた口元は語りかける様なリアルさです。
拡がる羽根の一つ一つやうねる髪の毛、流れる衣壁のディテールも見事で、卓越した技術者の確かな腕による手彫りの作品となります。
彫像はベルベット敷の木製の板に固定されており、ナポレオンⅢ世スタイルのガラスドームとオーバルフレームに納められております。
オリジナルのフレームと当時の空気までも閉じ込めたガラスドームに守られ、欠けやヒビなどの破損は一切ないパーフェクトな状態です。
※右の天使の羽根の下部に小さなシミの様なものがみられますが、正面からは隠れて見えません。
これほどまでに素晴らしい状態で残っている物は稀で、希少性の高い一品でございます。
2人の天使の額装オブジェ。
キリストの心臓のモチーフであるサクレクールのメダイと"JE VOUS SALUE MARIE"(私はマリア様を祝福する)と書かれたリボンを持つ2人の天使像は、羽やうねる髪の毛、衣壁など細部まで細かく彫刻されております。
大変美しいお顔の天使たちは、一方は目を閉じて物憂げな表情で祈っているかのように、もう一方は天を見上げてと、対照的なポーズをしております。
素材はメシャム(海泡石)または石膏かと思われますが判然といたしません。
このタイプの作品の名のある作家サルヴァトーレ・マルキの名がサイドに彫刻され、その左側には署名もされています。
彫刻自体はオリジナルのドーム型のガラス板のフレームに保護されていたため損傷は全くなく大変良好です。
フレームの一部にあたり傷が2箇所あり、塗装が剥がれております。
また、虫食いの穴も数箇所ございます。
裏蓋は紙が接着されて封されておりましたが、損傷が激しかったため取り除き、固定する金具(トンボ)を取り付けております。(これにより彫刻を取り外す事が可能です)
また、壁掛け用の管を取り付けております。
羊の陶器製貯金箱。
キリスト教の世界では、小羊のモチーフはAgnus Die(神の小羊)といわれ、人間の罪に対する償いとして、イエスが生贄の役割を果たします。
台座の上に座っているポーズから、キリスト教に関係のある物のようですが、威圧的な雰囲気や仰々しさはなく、全体的に優しい雰囲気は、あまり宗教的な匂いを感じません。
背中の部分にコインを入れる口がありますが、取り出す部分はございません。
焼成時にできた亀裂などがございますが、使用感は無く、大変良い保存状態です。
幼子イエスと洗礼者ヨハネのフレーム入り彫刻。
幼子イエスと洗礼者ヨハネと共に子羊が木の下に佇む様子の彫刻が、ナポレオン3世スタイルのオリジナルのガラスドーム付き楕円フレーム内に納められております。
腕の確かな技術者として知られる"MATTEI"による彫刻となり、見事なバランス/細部まで手の込んだ繊細な仕上がり/緊張感の中にも柔らかな肌の質感が調和した素晴らしい作品です。
イエスの右手は天を指し、左手には受難の象徴である茨の冠を抱き、荒野をさまようヨハネは毛皮を纏いクロスの杖を携えております。
また、そのそばに寄り添う羊のやや虚ろな眼差しは、祈りを捧げるヨハネに向けられているかのようです。
土台の中央に神の子羊の意となる"AGNDS DIE"、その右側上部に作家MATTEIの名が刻まれております。
買い付け時に裏面の封が剥がれていたため、外れないように金具で止めておりますが、自由に開閉できます。
彫刻が固定されている土台には濃い青のベルベットの生地が貼られておりますが、後年に補修されたものでオリジナルではないかもしれません。
オリジナルの壁掛けの金具が付属しております。
彫刻本体は経年によりうっすらと日焼けのように変色している箇所がございますが、欠けやヒビは見受けられず、製作当時のほぼ完璧な状態となります。
浮き彫り彫刻によるマリア様の額装オブジェ。
パイプのヘッドにも使われる、海泡石と呼ばれる素材に彫刻されたこちらのマリア様は、閉じた瞳と軽く閉じられた唇が今にも動き出しそうなリアルな表情をしております。
我が子キリストを慈愛に満ちた心で見つめているかのようです。
ベールのひだやうねる髪の毛の細部まで丁寧に作られており、サインはございませんが、卓越した技術者の手によるものに間違いございません。
また、枠が2重に作られており、ドーム状のガラスとの効果もあり、より立体的に見える仕掛けになっております。
マリア様のベール部トップ及び、額に経年による色の変色が見られますが、雰囲気を損ねる事はなく、良好な状態です。
また、フレーム部に亀裂がございますが、古い時代に修復されておりますので、拡がるおそれはございません。
ガラスに擦り傷がございますが、雰囲気を損ねる程ではございません。
フランスのカトリック教会の幻視者であり聖人'Marguerite Marie Alacoque'(マルグリット・マリー・アラコク/聖マルガリタ・マリア・アラコク)の聖遺物が収められたReliquaire(ルリケール)。
1673年12月27日に聖堂で祈りを捧げる彼女の前にイエスが現れ、心臓を見せてこれを崇拝するようにとの掲示を受けたことにより、フランス各地に聖心崇拝(サクレクール)が広まるきっかけとなりました。
修道院にて作られたもので、当時の装飾技法であるPaperoles(パプロール)と呼ばれるリボン状の紙を、羊歯の葉のように巻いたりなどして花や葉、スカラップなどの表現しております。
下部の赤い布の上の2つの菱形の紙に置かれているのはMarguerite Marie Alacoqueが生前に身につけていたものや触れたことのあるもの、埋葬された場所の土など、関連のあるものとなり、金の縁取りが施されたリボンにM.M.Alacoqueの名が記されています。
Paperolesによる装飾は、中心の左に麦、右に花(葉の形状からすると荊か薊かもしれません)とキリストの肉体と血を表していると思われ、中央の聖遺物が貼り付けられている部分は蜂を、そしてその上部の光を放っているようにも見える部分は蜘蛛である可能性があり、共にキリスト教の中では重要な昆虫のモチーフとなります。
麦と花そして昆虫と全体が自然のモチーフで構成されて、ポイントとしてあしらわれている3箇所のガラスビーズにより更に自然的な雰囲気を強めています。
素材が紙であるため、経年の変化により歪みなどが生じておりますが、メイン部分はシルクの土台からの崩落や欠損はなく、ほぼ製作当時のままの状態で残されているのはこのタイプのものでは少なく、大変よい状態と言えます。
※内側右上の縁飾りの一部に欠損がございますが、正面からは見えにくい部分となります。
裏の封入が一度剥がされ(または劣化で貼りなおしたか)補修されておりますが、オリジナルの蝋の封印跡なども残されており、大切に保管されてきたことが伺えます。
壁面に飾るための丸菅はオリジナルが付属し、問題なく機能いたします。